Looking for a Sense of Authenticity

<芸術は長く、人生は短い(Ars Longa, vita brevis)>

明治通りから漱石記念館まで

日記にしては長くなってしまった。それだけ心が動いた日。

今週は週の半ばにひとりの時間ができたので、家事をそこそこに久しぶりに友人に会う目的で外出。活躍中のid:mtakanoさんとお食事した。話の流れでどんな仕事がしたいの?と聴いて、スッと世の中のためになる仕事がしたい、仕事の中身はこだわりはないという発言を聞いて結構ドキッとした。俺にはそんな考えはこれまで持てなかったから。悪態つく彼だけど、芯がピュアなんだよな。
でもちょっと思い出してみると、まさにこの頃、不全感の原因を考えていて、極私的過ぎるミーイズムが精神を食んでいるような感覚になっていて、パブリックなことを自然に生活でできないかなと思っていたので、いっそうドキッとしたのかもしれない。

その前後で、めったにいかない明治通りを歩いた。テナントは様変わりだし、ウィーワークなるものも外からだがはじめて目にした。でも、ポールスミスとかヒスグラとかロイヤルフラッシュとか昔からあるお店もあったりした。変わらないものもちょっとはある。ダイヤモンド社は相変わらずの場所だし。未だに岸田(岸辺?)アドラーを垂れ幕にしているのはエリア柄なのかね。
流行ウオッチっていうと言い過ぎかもしれないが、街の定点観測は大事だね。原宿界隈はボロい昭和なマンションもあって、まあよく言えばヴィンテージなんだろうけど、アキバとは違った意味でごった煮なところだなと思ったりした。

ランチ後はちょっと溜まっていた読みものをしようと思って大学の図書館へ。都市計画の本なのになんでか社会学のコーナーにあった。都市論(都市社会学)にまた回帰してきた。工学系は全然学問体系が違う。作法がわからない。でもそれがちょっと面白い。心理学みたいに心理統計とか質的なお作法はそこまでなさそうで、フィールド観察と先行研究レビューが中心というオーソドックスな感じかな。

その後は気になっていた新宿区立の漱石記念館へ。なんどか前を通ったけどもともとイメージしていた場所とはぜんぜん違う場所にあった。勝手に夏目坂の上だと思っていた。思った以上に良かった。森鴎外の記念館もだけど、そんなに華美ではないけどじっくりと味わえる感じがある。絵とか、博物館は苦手なのだが、本とか文豪はいけるのかもしれない。久しぶりに漱石を読み返そうと思えた。真面目に読んだことはあまりない。学生時代にちょっとだけ、か。漱石の生涯とか、時代ごとの作品解説とか、関連する人たちとかも展示されていて、結構半日くらいじっと見ていられそうだった。夕方に行ったから見られたのも1時間程度だったのだが。また行こうと思う。

散歩しながらいろいろと考えた。いつもそんな感じだけど。
そろそろ育休からの復帰に向けたマインド調整に入っていくので、リハビリ的に少しずついろんな人に会うようにしている。良くも悪くも俺の日常は、日常過ぎてサラリーマンの非日常だ。毎日がホリデーだから。そんな中で働いている人に会うと、複雑な感情が出てくる。育休当初は感じなかった感覚。
ありがちだけど、やっぱりあったのは、仕事が出来ないかもなあという不安。スキルというよりは、マインド(というかモード)の切り替えがついていくかな、と。また、働くことばかりになって、自分を失ってしまいそうな怖さがある。仕事だけになってしまうことの怖さ。育児家事はあるから、より窮屈になってしまうのかなという恐れもある。今はまだ、ちょっとは時間がある。ここは、妻に感謝。最近当たってしまってごめんだけど。

復帰後、相対的になれるようなものを今のうちに見出しておきたいという焦りがある。趣味?研究?それがわからなくて無駄にイライラしている。結果、家事育児にマインドフルになれなくて自己嫌悪になったりする。その逆でなにも考えずに見たいテレビを見ようとして録画のバラエティ見たり、いっそ見直そうとロンバケ見たり、それはそれで楽しいんだけど、のめり込みきれない感じがある。

気づいたのは、自分のことばかりの世界になってきてるなあということだった。家族(妻、娘)はいるんだけど、家族のあいだだけ。世界が閉じてしまっている感じなのかもと。なんか、専業主婦のハマる世界と一緒だな。まあ専業主夫だからな。シンプルには、家庭、職場以外のもうひとつの関わりを持ちたい、ってことだけなのかもしれない。別に大げさなものでなくて、友達ということでいいんだけど、大人になってからの友達づくりは難しい、ということもあるのが悩みでもある。

直接的には関係ないが、河合隼雄が解題した中空構造って、「なにもしない」対立(対比)しているもののあいだの存在が実はキモだということだったから。ツクヨミの存在とかが代表例で。バランスというとAとBの均衡をというイメージになるけど、二項対立にならないような第三の、サードのものってのが大切なのかも。ほら、2点だと単なる線分で、3つの点があって三角形という図ができるというかね。なんか上手く言えないね。

Eテレの番組が良かったのでインスピレーションを得たのだった。

河合隼雄スペシャル 2018年7月 (100分 de 名著)

河合隼雄スペシャル 2018年7月 (100分 de 名著)

中空構造日本の深層 (中公文庫)

中空構造日本の深層 (中公文庫)

ずっと開かず読めてない中空構造…